うつ状態の方


       私は、今うつ状態でお悩みの方に、以下の3つのことをお伝えします。

        1.1日でも早く病院で診察を受ける
      2.医者に言われたとおりに薬を飲んで、結果を医者に伝える
     3.ゆっくり休む
 
      1.「1日でも早く病院で診察を受ける」について
      うつ病は早期治療が大切です。うつ病がひどくならなければ、会社を休まずに通院だけで治療するこ
      とができます。しかし、うつ病がひどくなってからでは、長期休養,入院が必要になってしまいます。

       「自分がうつ病だなんて」、「自分の弱さを認めたくない」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、
      「うつ病」にかかることが恥ずかしいと思わないで下さい。「心の風邪をひいた」位の気持ちで、下記の項
      目のうち半分以上該当する方。又は、半分以上該当しなくても自分で「うつ病ではないか?」と思
      われる方も、1日でも早く病院で診察を受けてください。

       @体がだるく疲れやすい。 
       A神経が過敏になり、イライラすることが多い。
       B朝、気分が重く、夕方になると元気になる。
       C集中力や、根気がなくなった。
       Dなるべく人と会いたくないと思う。
       E頭が重かったり、立ちくらみがする。
       F食欲がない。
       G肩こりや背筋痛がある。
       H寝汗をかくようになった。
       I寝つきがよくない。
       J夜中によく目が覚める。
       Kイヤな重苦しい夢を見る。
       L家族(夫や妻)と喧嘩することが増えた。
       M仕事に対するヤル気がない。
       N性欲がない。異性に興味がない。

       最近では副作用の少ない、「抗うつ薬」が出ています。うつ病になると、脳内の神経細胞の間で情報
      の伝達をしている「ノルアドレナリン」,「セロトニン」といった神経伝達物質の量が減ります。抗うつ薬はそ
      れら神経伝達物質の量を増やし、その結果として下記のような効果があります。
       (1)「意欲の低下を改善する」
       (2)「憂うつな気分を改善する」
       (3)「不安感や緊張を和らげる」

       ですから安心して病院で診察を受けてください。



     2.「医者に言われたとおりに薬を飲んで、結果を医者に伝える」について
       医者か処方された薬を確実に言われたとおりに飲んでください。自分で「楽になったから」、「薬の依存
      になるのが怖い」という理由で薬を飲むのを止めないことが必要です。
       そして薬を飲んだ結果、どのように体調や気持ちに変化があったかを医者に伝えて下さい。

       うつ病気はなりかけ治りかけが大切です。「楽になったから」といって自分の判断で止めてしまうとせっか
      く治りかけた症状が元に戻ってしまいます。
       また医者も「薬の依存」にならないように配慮して処方してくれますし、なにしろ薬を飲ま無ければ症状が
      改善されません。

       現在はさまざまな抗うつ薬がありますが、、その人に効く薬効かない薬があります。ですから医者に薬を
      飲んだ結果の変化を伝えることによって、その薬があなたに効いているのか、効いていないか医者が診断し
      てくれます。
    
     3.「ゆっくり休む」について
      うつ病の治で一番大切なことは「ゆっくり休む」ことです。うつ病は心の疲労によって起こるので、疲れた
      体を休めるように、疲れた心には休息を与えなくてはいけません。「うつ病」は怠け病ではありません。
      分は「さぼっているんだ」,「情けない」と自分を決して責めないで下さい。

      私が、精神科医からうつ病と診断された時、2ヶ月間の自宅療養が必要と言われました。私はそれを聞
     いて「2ヶ月間もとても休めない!」と感じました。そして、「たまっている仕事はどうしよう」,「休んだら給料
     が入らないどうしよう」という思いが頭を駆け巡りました。

      そして、私は医者に「2ヶ月間も、とても休めません」と言いました。そうしたら医者から「あなたの長い人生
     で2ヶ月間は、どれだけの長さですか?もっと長い目で見て、わずか2ヶ月間休まないために、もっと症状を
     悪くして人生を棒に振ってもいいんですか?」と言われました。そして自分でも、目先の仕事よりこれから
     の長い人生のほうが大切だと思え、医者に診断書を書いてもらい、会社を休むことにしました。

     体験者の私が言いますが、「いろいろ悩めば悩むほど」又、「早く治そうと思えば思うほど」うつ病の治りは遅
     くなります。休んでいても「仕事はちゃんと回っているか?」と心配して、あなたが自分の健康を害しても、会社
    はあなたの健康を保証してくれません。こういう言い方をしては失礼かもしれませんが、「あなたが休んでも、
    会社の仕事は何とか回っていくものです。」私の場合もそうでした。
 


     また、健康はお金には変えられません。社会保険に入っているサラリーマンの方であれば、傷病手当金請
    求書を会社からもらって、医者に証明してもらえば、傷病手当金がおりて病気やけがで休んだ期間、一日に
    つき、標準報酬日額の6割に相当する額のお金が出ます。サラリーマンでない方も長い目で考えてみてください。

      更に自立支援医療制度を申請すれば、通医療費の90%までを公費で負担してくれますので、お住ま
    いの役所の保険福祉課等にお問い合わせ下さい。この制度は病院側から積極的には教えてくれないので、
    使わないと損をします。

     うつ病はきちんと治療すれば治ります。休職中は無理に規則正しい生活をせず、焦らず、ゆっくり元の生
    活に戻していけばいいのです。うつ病になる方は、「気真面目」,「完璧主義」の方が多いようです。そういう方
    は、少しだけ人生をアバウトに生きて見ませかんか?

     そして休養中に「病のもつメッセージ」に耳を傾けてみてください。

     聖書の中には心を軽くしてくれる言葉がたくさんあります。



・「あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十
分あります。」(マタイ6:34)

「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを
休ませてあげます。」(マタイ11:28)

「自分のいのちのことで、何を食べようか、何を飲もうかと心配したり、また、からだのことで、何を
着ようかと心配したりしてはいけません。いのちは食べ物よりたいせつなもの、からだは着物よりた
いせつなものではありませんか。」(マタイ6:25)

      聖書をキリスト教の書物と、とらえないで「そうか・・・・・そういうふうに考えればいいんだ」というように心を軽
     くしてくれる書物として読んでみることをお勧めします。私もうつ病の時に、聖書の言葉に大変励まされま
     した。

      とにかく、「うつ病」と上手くつき合ってゆっくり治せばいいのです。

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