
コーチはコーチング中に、クライアントに共感するために、自分の価値観を脇に置く必要がありますが、さらにもう1つ自分
の価値観を脇に置く理由があります。
それは、コーチがクライアントが出す答えを、自分の考えに<b>誘導</b>しないためです。
コーチが問題解決の答えを「自分だったらこうする」と描きながら、コーチングをすると無意識的に質問や、要約がコーチ
の価値観にしたがってされてしまいます。
例えば、親会社から子会社に出向していて、子会社で責任を持った仕事をまかされているクライアントがいるとします。
親会社に戻りたいが、子会社では信頼されて仕事をまかされているので、戻るべきか?留まるべきか?クライアントは悩ん
でいます。
コーチが仕事の価値基準を”やりがい”に持っていてこの基準のままコーチングしたらどうなるでしょう?コーチは問題を聞
いた時点で「クライアントは、子会社に留まって責任を持った仕事をすべき」と答えを自分で出してしまいます。
こうなるとコーチは、クライアントに子会社に留まることにメリットを感じるように誘導した質問を無意識にしてしまいます。
クライアントはコーチに誘導され、子会社に留まることが自分にとって有益と、きれいにまとまられてしまいますが、それはクラ
イアントが出した答えではなく、あたかも自分で出したと思わされるコーチよって誘導された答えなのです。
このように導き出された答えは、行動段階で「何か違うな?」と納得できない部分が出てきます。ですから、コーチはクラ
イアントが納得して答えを出せるように、自分の価値観でクライアントを誘導してはいけないのです。
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