
職業について考え直しましょう。
仕事や職業という言葉は、本来の自分とはかけ離れたものであり、収入を得るために一時的にしていることというイメージ
があります。
まるで舞台に立つ役者のように、決められた時間だけ役を演じ、それが終わったとたん本当の自分に戻るわけです。私た
ちはいつの間にか、仕事と遊びはまったく別のものだと思い込まされてきました。
「仕事と遊びをいっしょにするな」
「遊びじゃないんだ。まじめに働け」
という言葉を耳にたこができるほどきかされてせいか、それを人生のルールと清じ込んでしまいました。
仕事と私生活が分離されたしまったことは、現代の悲劇のひとつといえます。多くの人たちにとって、毎日の生活に一貫
性がなく、相互に無関係な活動を次々にするだけになってしまいます。その上、職場の環境に溶け込むために、本来の
自分をおさえて働かねばなりません。こうして毎日、役割を演じる生活を続けています。これでは人生に疲れ、燃え尽きて
しまう人たちが多いのもうなずけます。
これを解決するには、調和のとれた人生を自分自身で計画し、それを実践する方法を学ぶことが必要です。その場合、
一番大きな課題は、いかに自分の職業と私生活をマッチさせるかということでしょう。自分がワクワクすることが自分の人生
そのものになる必要があります。職業とは、自分のワクワクを生かして金銭や生活手段を得ることに過ぎません。
私が考える職業人生とは次のような人生です。
自分が生まれ持ったあらゆるワクワクをひとつ残らず日々の生活に生かして、社会に多大なる貢献をする。人生の選択
は、自分がこの世に生きる目的である「あなたの存在意義」に沿っておこなうので、バランスの取れた一貫性のある生き方
ができる。
このような充実した人生が理想の人生です。
この定義にしたがって生きていくと、生活していくのに必要な手段や方法は自然に見つかります。
私のところに来た人から、「どうやって仕事を見つけたらよいか、教えてください」と聞かれたときには、次のように答えること
にしています。
「まず君の人生そのものを見てみよう。一番小さい頃の記憶から始めて、過去をたどり、君が生まれつき持っているワクワ
クが何か、思い出すんだ。君が好きなこと、ワクワクすること、夢中になったこと、好奇心をそそられたこと、夢見ていることな
どを全部書きとめて、いわば半生記を書いてごらん。それにもとづいて行動計画を立てるんだ。自分のワクワクを日々の生
活の中で同時に実践し始めると、君の人生が活気を帯びてくる。そうすれば自然に仕事が向こうからやってくる。そうしてや
ってきた仕事は、君にぴったりの仕事のはずだ。君だけに当てはまるユニークなワクワクの集合体から導かれた仕事だから
だ」
私がここで「仕事が向こうからやって来る」というのには理由があります。私たちはふつう、仕事をさがしなさい、積極的に
職業に飛び込んでいきなさい、と教えられます。けれどもこのアプローチは滅多に成功しません。積極的に探した仕事は、
たいていの場合、本来の自分とはかけ離れた仕事で、職場では本当の自分を抑えつけなくてはなりません。その結果、
起きている時間の9割は、仕事をすることと、仕事のストレスから回復することに費やすはめになります。自分のワクワクを
知って、それをすべて実行する生活を送っていない人は、ストレスの多い仕事ばかりを見つける危険性が高くなります。
けれどもワクワクに根ざした自分らしい生活を始めると、仕事やチャンスが私たちのところに呼び寄せられてきます。仕事を
自分らしい生き方の延長として考えると、仕事をわざわざ探しに出かけなくとも、仕事が向こうからやってくるのです。
頭で考えた条件をもとに探そうとすると、その条件に合うものが、かえって見つからなくなります。探すという行為そのものが
目的のものを押しやってしまうからです。
ですから仕事を探さないでください。それよりも、自分の生来のワクワクに根ざした生活を築くようにしてください。ワクワクに
没頭した生活を送ってみてください。自分のワクワクと関係のある場所や、分かち合える人々と多くの時間を過ごし、ありの
ままの自分を出せる人々とつき合うようにしてください。あなたと同じことに夢中になっている人たちを見つけ、知り合いにな
りましょう。自分の夢を実現するのに役立つ本を読みましょう。ワクワクする講演や映画、セミナーや会合などにどしどし出
かけましょう。自分のワクワクがある分野を存分に楽しんでください。深く追求しましょう。初めてのことにも挑戦し、少々不
安でも勇気を出して行動しましょう。すべては「小さな一歩」が導いてくれます。
『ソース』 マイク・マクマナス 1999年 ヒューイ陽子訳
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